頭に響かせる…ってエスパーですか!?
共鳴についての、導入的な話です。
よくボイストレーニングでは、「頭に響かせて」とか、「胸に響く声」とか言います。
「副鼻腔に響かせる」というのもあります。
トレーニングを積み重ねた現在、ある程度コントロール出来るようになりました。
でも、自分の体の響かせたい所に、意図して響かせるって・・・エスパーですか!?と思うわけです。
5年前くらいに通っていたピアノ教室で、発表会がありました。大きなホールで、順番に練習曲を発表していくやつです。私のピアノ曲はボロボロで、本番で力を出す精神力と練習量が鍵だな、と思いました。会の最後にみんなで歌う曲があり、声楽の先生が特別講師として指導に来てくれました。私は大人でしたが、生徒のほとんどは小学生の子供です。声楽の先生は言いました。
「頭のてっぺんから声が出るようにしてください」
「!?」
先生は実演もしてくれました。確かに、脳天を突き破るような高い声でした。
当時はボイストレーニングは始めていなかたので、そういうもんかと思いつつも、実感は出来ませんでした。
小学生たちは、特に変わらない様子で自由に歌っていました。
感覚的には分かるんです。特に副鼻腔は、そこに響きを持って行ったり、戻したりすることが、今では実感できます。
でもよく考えてみると、何か構造が変わっているはずなんです。意識を集中させるだけで、変わるわけありません。
「響き」は結果なのです。そこに至るプロセス、構造的な変化を説明しないで、メソッドとして「頭に響かせる」ことを目指しても、かなり苦労するわけです。
今回は詳しく説明しませんが、構造的に変わっているのは、声帯の伸長、声門閉鎖の程度と、咽頭・口腔の形です。ここは意識して、形として変えることが可能な部分です。
誰にでも分かりやすい、解剖学的に説明可能なボイストレーニングを目指していきたいです。
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