地声・裏声 × 閉鎖あり・なし = 4種類の声
医学的には、声区は4種類であることは以前書きました。
混乱の元凶・・・声区(register)問題にケリをつける!
このうち、現実的に使うのは地声と裏声の2種類です。
そしてボイストレーニングの要である「声門閉鎖」。これのあり・なしを掛け算すると、声の種類は4つということになります。
①地声
②声門閉鎖のある地声
③声門閉鎖のある裏声
④裏声
②は、話し声としては地声より太く、通る声になります。
③は、いわゆるミックスボイスと言われている声に近いと思います。
その感覚をつかむのに、②はとても重要です。まずは②の練習から入ることをおすすめします。
太い声を出すには・・・?~声帯の形を変えてみよう!
①地声と、②声門閉鎖のある地声の行き来が自在に出来るようになったら、同じことを、④裏声と③声門閉鎖のある裏声の間でも出来るように練習します。これは私も大分やった記憶があります。裏声のロングトーンをしながら、声門を閉じたり開いたりするのです。喉仏の辺りに手を置いて、余計な力が入っていないかどうかモニターしながらやってみてください。
さて、これで4種類の声が出せるようになったとします。日常会話の中でも、目的に合わせて使い分けられるといいですね。
①地声
親しい人と、静かな場所でリラックスして話す時。
②声門閉鎖のある地声
騒がしい場所で、声を通す必要がある時。司会進行の声。はっきりと、人に何か伝える時。
③声門閉鎖のある裏声
声を目立たせたい時。たくさんの子供の注意を引き付け指示を出す必要がある、NHKの体操のおにいさん、よしおにいさんはこの声を活用しています。TVを見ている人に商品をアピールして電話してもらわなければならない、ジャパネットたかたの元社長も、この声を活用しています。
歌声もいい声です。
④裏声
これは日常会話で使うことはほとんどないですね。裏声でしゃべっていると言われる人がたまにいますが、無意識に「閉鎖」を入れ、③に近い声になっていると思います
安田大サーカスのクロちゃんの声
目玉のおやじのモノマネをする時も、純粋に裏声だけだとあまり似ていません。少し「閉鎖」を入れる必要があるのです。
次に歌声ですが、よくボイトレで言われる「地声から裏声を一本につなげる」ためには、今回述べた①②③④の順番でつなげていくのがコツだと思います。ここでも、②声門閉鎖のある地声の存在、これをはさむことがキーポイントになります。
詳細な筋肉の働きについては別の機会に譲りますが、「声帯を閉じる筋」「声帯を厚くする筋」をうまく働かせながら、突然裏声に切り替わる(ひっくり返る)ことなく、なだらかに地声から裏声にバトンタッチさせる、その道すじが今回述べた4種類の声にあるのです。
こちらの記事もおすすめです!
-
前の記事
高い声には、「高い声の出し方」がある
-
次の記事
音痴克服・・・発声練習+音階練習で一石二鳥!