効率よく声帯を起こすために・・・あめんぼあかいなアイウエオ!

効率よく声帯を起こすために・・・あめんぼあかいなアイウエオ!




もともとは、効率のいいウォーミングアップ方法を探している中で、出合いました。
滑舌の練習としても有名な、北原白秋の「五十音」。
著作権は無くなっているそうなので、積極的に広めていきましょう。

あめんぼ あかいな アイウエオ
うきもに こえびも およいでる 

かきのき くりのき カキクケコ
きつつき こつこつ かれけやき 

ささげに すをかけ サシスセソ
そのうお あさせで さしました 

たちましょ らっぱで タチツテト
トテトテ タッタと とびたった 

なめくじ のろのろ ナニヌネノ
なんどに ぬめって なにねばる 

はとぽっぽ ほろほろ ハヒフヘホ
ひなたの おへやにゃ ふえをふく 

まいまい ねじまき マミムメモ
うめのみ おちても みもしまい 

やきぐり ゆでぐり ヤイユエヨ
やまだに ひのつく よいのいえ

らいちょうは さむかろ ラリルレロ
れんげが さいたら るりのとり

わいわい わっしょい ワヰウヱヲ
うえきや いどがえ おまつりだ

(参考)原文
水馬赤いな。ア、イ、ウ、エ、オ。
浮藻に子蝦もおよいでる。
柿の木、栗の木。カ、キ、ク、ケ、コ。
啄木鳥こつこつ、枯れけやき。
大角豆に酸をかけ、サ、シ、ス、セ、ソ。
その魚浅瀬で刺しました。
立ちましょ、喇叭で、タ、チ、ツ、テ、ト。
トテトテタッタと飛び立った。
蛞蝓のろのろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ。
納戸にぬめって、なにねばる。
鳩ぽっぽ、ほろほろ。ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。
日向のお部屋にや笛を吹く。
蝸牛、螺旋巻、マ、ミ、ム、メ、モ。
梅の実落ちても見もしまい。
焼栗、ゆで栗。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。
山田に灯のつく宵の家。
雷鳥は寒かろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。
蓮花が咲いたら、瑠璃の鳥。
わい、わい、わっしょい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ。
植木屋、井戸換へ、お祭りだ。

朝起きて、すぐ歌おうとしても、声が出にくいな~と思ったことはありませんか?
地声は、大きな問題ない気がします。
声門閉鎖を加えての裏声、いわゆるミックスボスが出ません。
ということは、高い声が出ないということです。
すぐ裏返ってしまったり、音程が取れない状態になっています。

その原因は、
・声帯を開け閉めする筋肉
・声帯に張りを持たせる筋肉
が眠っているためと考えられます。

寝ている間は、声帯はほぼ開いたままです。
息を吸ったり吐いたりしている時、声帯は開いています。
寝言を言うこともあるでしょうが、日中に比べると、動きは極めて少なくなります。
ちなみに、いびきは声帯が鳴っているわけではないので、無関係です。

歌ったり話したりするとき、声帯は閉じられます。
太い声を出したり、いわゆるミックスボイスを出す時の声帯の動きは、極めて複雑です。
ある程度張りを保ちながら閉じつつ伸ばされていく、なんてことが要求されるのです。
起きたばっかりの声帯には、困難な動きなのです。

これを効率よく起こす(動かす)には、言葉を使った運動がいいと考えます。
そこで、「五十音」の登場です。

五十音の一つ一つの言葉を発するたびに、声帯は瞬時にそれにふさわしい形をとります。
口腔内の形・容積、外気圧、呼気圧に合わせて、声帯の形は自動的に変わるのです。
おそらく、歌唱や音階練習よりも、声帯に関連する筋肉の運動になると思われます。

例によって、これを

①地声
②声門閉鎖を加えた地声(低めの声)
③声門閉鎖を加えた地声(高めの声)
④声門閉鎖を加えた裏声

この順番で、繰り返しやってみて下さい。
特に声帯を閉じる筋肉を意識しながら行います。
声門閉鎖のウオーミングアップなので、裏声のみはやらなくていいでしょう。
もちろん共鳴は加えた方が、いわゆる俳優の発声練習っぽくなっていいですね。

朝、ウォーミングアップとしてこれを取り入れると、職場での第一声も変わってきます。
午後一で歌う必要がある時でも、充分コントロールした声が出るはずです。
ぜひ、このページを見ながら練習してみて下さい!