コード・ブルー2~医師と声楽家が解き明かすボイトレ緊急発声
今回は、医学的ボイストレーニングの情報です。
この本は、昔から持ってはいたのですが、最近改めて熟読してみて、その良さを再確認しました。
第二弾が2018年に出ていて、こちらも早速入手しました。
ちなみにコード・ブルーの映画は、結局見に行けませんでした。
「医師と声楽家が解き明かす発声のメカニズム」
「人生最高の声を手にいれる6つのステップ」
両方とも、萩野仁志先生と、後野仁彦先生の共著となっています。
萩野先生のプロフィールです。
1958年10月16日生。東海大学医学部卒業。東京町田市において、はぎの耳鼻咽喉科開業。神奈川県川崎市麻生区にて「ヴォイスメンテナンススタジオJ&J」開設。ジャズバンド「Hug Doc Bandはぐどばん」を結成し、クラシック&ジャズ・ピアニストとしても活動。東海大学医学部専門診療学系漢方医学教室非常勤講師。愛知県立芸術大学非常勤講師(音声学担当)
結論から言うと、この本に沿ってボイトレの勉強をしていけば、間違ったことにはならない、ということです。
第1章は、声の出る仕組みと、喉と声帯の解剖学です。専門用語も用いられていますが、イラスト付きの解説で非常に分かりやすいです。発声に関する専門用語が、正しく使えるようになります。
第3~4章は呼吸について。MRIの画像による、呼吸時の動作分析があります。息を吐く時、上腹部が凸になるという説明は、前に紹介した松永先生の動画と重なっています。
太い声を出すには・・・?腹式呼吸と発声のカラクリを斬る!
第5章では、喉詰め声から抜け出す方法として、喉頭や舌根を下げ気味にして、喉のスペースを広く保つ発声法が説明されています。私が共鳴のところで解説したことの医学的裏付けとなる内容です。
まず何から?・・・共鳴から!~声を響かせる3つの方法
しかしながら、声帯のコントロールに関する説明は、一切ありません。
このことには理由があります。
この本の共著である後野先生がバリトン歌手であり、クラシックの発声法がメインだからです。
秦基博や、桑田佳祐みたいな、声門閉鎖をいい塩梅でブレンドした声の人は、クラシック界には存在しません。クラシックの発声をすれば、みんなだいたい同じような声になることからも分かると思います。
クラシックでは、声域によりきっちり歌うパートを分け(テノール、バリトン、バスなど)住み分けをしているので、無理に声域を拡げたりしないのでしょう。
高い声が必要な場合、裏声に声門閉鎖を加え地声風に聞かせる、なんてことはご法度で、生まれつき声帯が短く声が高い人に任せるのです。
なので、共鳴と呼吸のことは、クラシックの方に聞けば、豊富なノウハウがあると思われます。
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