声は寄っていく、近付いていく~声が自然に持つ、不思議なチカラ
いつかのメリークリスマス
しばらく、B’zの歌を継続的に練習していた時がありました。
クリスマス時期に、B’zの「いつかのメリークリスマス」を歌う機会があったからです。通勤の車で、ほぼ毎回この曲をかけながら、一緒に歌って練習してきました。
すると、歌い方のクセや表現などが似てくるのは分かるのですが、声の感じや声質自体が似てきたのです。
B’zの稲葉さんの声は、ツヤと伸びのある声質と言えます。曲調によってはシャウトや太い声も出てきますが、基本はハスキー成分のない、クリアな声質です。
私の分類の中では、布施明、河村隆一、氷川きよし、GACKTと同じ系統です。
今あげたシンガーは声が低めの人が多いですが、稲葉さんの声は、地声の張り感をそのまま高音に伸ばしていった感じなのです。
一方、私の声質はと言えば、ハスキー成分多目のミックスボイスです。
もともと秦基博が好きでよく歌っていたからでしょうか。
桑田佳祐、桜井和寿、鈴木雅之のような、ハスキーな声質の歌手と同じ系統です。
2つの声質
この2系統の声質の差が生じる原因は、ミックスボイスの加減の差であると言えます。
私の説明では、ミックスボイスは「声門閉鎖を加えた声」です。
この、声門閉鎖の加え方(閉じ具合)によって様々な声が出るわけです。
ある程度ボイストレーニングを学んだ者であれば、この2系統の声は使い分けることが可能です。
モノマネが上手な人も、この調整によって七色の声を出しているのです。
前者は、声門をぴったりと、丁寧に閉じることによって出す声質です。
後者は、声門をルーズに、粗く閉じることによって出す声質です。
私にとっては、後者のハスキー系のミックスボイスの方が出しやすいのです。
後天的にミックスボイスを獲得した人は、そうである場合が多いと思います。
通常の裏声に、声門閉鎖を加えて、ハスキー成分を加えていく練習は大分やりました。
なので、前者の声門をぴったり合わせるミックスボイスは、どちらかという言うと応用編です。
声帯への、より強い意識とコントロールが必要になります。
しかし、今回B’zの曲に合わせて何度も何度も歌っていたら、自然と前者の声に近付いて行ったのです。
これは意図せず起こった、不思議な出来事でした。
声は寄っていく、近付いていく
声には、周囲の声に寄っていく、近付いていく(同調していく)働きがあるようです。
オオカミの遠吠えや、鳥のさえずりなどのように、動物的な本能かもしれません。
いい声が、伝染するように拡がっていく現象については以前書きました。
いい声は拡がっていく~すべてのボイトレニーへのメッセージ
憧れの歌手の歌声になりたい場合は、音源を聞きながら一緒に歌ってみて下さい。
いつか近付ける日が来るはずです!
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