ミックス=声門閉鎖、とまとめてみるとスッキリ!!
最近よく、「地声ミックス」「裏声ミックス」という言葉を目にします。
ミックスボイスについて説明した動画やブログの中で出てきます。
でも、ちょっと待ってください。よくあるミックスボイスの説明としては、「裏声に地声成分をミックスする」というものがあります。だとすると、「地声ミックス」って何なんだ?という話になります。地声に地声成分を混ぜるって、頭痛が痛い、みたいなことになってしまいます。
ミックスボイスとはまた別に「ミドルボイス」というものがあり、それを地声寄りにするのが「地声ミックス」で裏声寄りにするのが「裏声ミックス」で・・・となってくると、もはや複雑すぎてよく分からなくなってきます。〇〇ボイス、というのが多すぎるのは問題です。
私の分類では、声区は2声区(4声区中、実用的な2声区に限定)、種類は4種類です。ミックスボイスという言葉もなるべく使いません。
地声・裏声 × 閉鎖あり・なし = 4種類の声
①地声
②声門閉鎖のある地声
③声門閉鎖のある裏声
④裏声
もちろん、分かりやすさ重視の大胆な分類であるとは思います。声門閉鎖のやり方はいろいろなバリエーションがあり、繊細なものであることは実感しています。でも基本的な分類として、声門閉鎖を意図して入れているか、入れていないか、そこがまず別れ目だと思います。
これに共鳴をどれくらい加えるかで、また声は変わってます。ただこれは「エフェクト」みたいなものなので、分類には反映させません。呼吸の方法によって変わる声も同様です。ちなみに「鼻腔共鳴」で高音に張りを持たせる、という方法がありますが、やってみると構造としては声門が若干閉まっていることを感じます。これも声門閉鎖の一種だと理解しています。
私が他人の声を聞く時、注目しているのは声門閉鎖の程度です。声優やモノマネの人は、声門閉鎖のコントロールがとても上手です。私自身、数年前と大きく変わったと思えるのは、この声門閉鎖の技術なのです。
そして声門閉鎖であれば、地声にも裏声にも、文字通りミックスすることが出来るのです。
ミックスとは声門閉鎖のことである。
複雑を極めるミックスボイス議論ですが、このようにまとめるとスッキリするのではないでしょうか、という提案をしてみました。