「咳払い」からの卒業

「咳払い」からの卒業





過去の私は、声が小さく、高い声も出ず、声にコンプレックスを持っていました。
それを象徴していた行為があります。「咳払い」です。

私は話し始める時に、咳払いをする癖がありました。
癖というか、声を出す時の喉のコンディションを整えるためにやっていたのです。
声が小さかったので、少しでも通る声を出したい、という思いでした。

17時で仕事が終わり、部署の部屋を出る時、
「お先に失礼します」とか「お疲れさまでした」と言いますよね。
これを言う前にも、咳払いが必要でした。
咳払いをしないと、かすれたような、ガラガラ声になってしまいました。

こんな人が職場にいたら、どう思いますか?
ちょっと気になりますよね。

病棟のスタッフルームで、看護師さんに話しかけようとした時のことです。
何人か人がいたのですが、わりと静かな時だったので、私の咳払いがかなり響き渡ってしまいました。
すると一人の看護師さんが、
「何ですか、今の・・・本屋の店員が立ち読みの客に注意する時みたいな・・・」
と言ったのです。
非常に機転の利いた、面白いコメントですよね。
私は多少赤面し、取り繕いながら話したことを覚えています。

私が発言の前に咳払いする、ということを知っている人は、
私が何か言いたいことがある時は、咳払いをする、と予測できます。
なので、発言と関係なく咳払いした時でも、妻に
「何か言いたいことある?」
とよく言われたものでした。

私のモノマネをされるときは、必ずこの咳払いが入っていました。

それほど特徴的だったんだな、と今まとめてみて思います。
セルフイメージも、かなり下がってしまいますよね。
これは一つのボディランゲージです。他者に与える印象に大きく影響していたのでしょう。

さて、ボイストレーニングをして大きな声を獲得できた現在・・・。

最近仕事上がりで「お疲れ様です」と言って部屋を出る時のことです。
ふと気づきました。そう言えば、最近咳払いしなくても、いい声が出るようになったな、と。
何日か確認してみましたが、咳払いは必要なくなっていました。

他人から見れば、些細なことかもしれません。
咳払いなんて、意識してやめられるでしょ、って。
でも自分の声の小ささを象徴する「咳払い」という行為がなくなったこと、
私にとっては大きな変化でした。
特に仕事内容や担当部署が変わった、というわけではありません。
単純な「咳払い」という行為が、ボイトレ経験前後でどう変化したか、という実感です。

「咳払い」からの卒業、という話でした。

ボイストレーニング的には、喉のコンディションに、いい癖がついた、ということだと思います。
喉というのは、癖がつきやすいと言われています。
私は朝の車通勤中、ウオーミングアップのボイトレをしていますので、
そのいい状態が一日続いているということでしょう。

声が小さくて悩んでいる人は、ぜひボイストレーニングをすることで結果を出して下さい!